Outline of learning,Curriculum

概要・カリキュラム

4年間の学び(教育課程の編成方針・内容)<2022年度改定>

「カトリックの愛の精神」に基づく人間の尊厳の尊重を基盤とした教育目標を中核に据え、看護専門職者としてのコアコンピテンシーを段階的に学修し、人格の成熟と看護実践者としての成熟を促し、地域におけるケアの文化の創造に寄与することが出来るケアリングの実践者の育成を目指すカリキュラムを編成しています。

1.「生命・健康基盤」分野、「基盤臨床・適応看護システム」分野、及び「グローバル・コミュニティ適応看護システム」分野の3分野からカリキュラムを構築。

生命・健康基盤」分野

本学の建学の精神である、キリスト教の人間観に基づく人間の尊厳を尊重したケアリングと倫理的判断力を修得するための基礎的科目を配置するとともに、ヘルスケア領域における科学的思考と問題解決能力を修得するためにデータヘルスサイエンス関連科目を配置。

「基盤臨床・適応看護システム」分野

キリスト教的人間観を哲学的前提とするロイ適応看護モデルに基づき、看護の対象となる人々を全人的に捉え、統合に向けて適応を促進するための看護実践能力の強化を目指し、成人看護学と老年看護学を統合し、ケア技術の向上を図るための科目を配置。

「グローバル・コミュニティ適応看護システム」分野

「生命・健康基盤」分野、「基盤臨床・適応システム」分野での学修を基盤とし、持続可能な共生社会の形成や地域の人々との、協働・連帯、多様な環境で生活する人々に対するケア環境の構築を学ぶための科目を配置。

2.世界規模、特に開発途上国における保健医療福祉の現状や課題、取組みを学び、将来、国内外で活躍できる人材の育成を目指して、国際看護コースとグローバルスタディーズコースを開講。

3.大学における学修への円滑な移行を促すため、初年次教育に関する科目を配置し、主体的学修への転換を図り、4年間にわたり自ら探究する姿勢を育成。

4.各科目の内容に応じた適正な評価方法をシラバス(授業計画)に明記し、「知識」、「技能」、「態度」、「創造的思考力」など、様々な視点から学修成果を評価。

取得できる資格

【学 位】 看護学士号
【資 格】 看護師国家試験受験資格 保健師国家試験受験資格(選択制:人数制限有)

養護教諭二種免許(※) 第一種衛生管理者免許(※)
※所定の科目を履修した場合、保健師免許取得後、申請により取得できます。

看護師ってどんな仕事?

看護師免許は、看護師国家試験に合格した者に、厚生労働大臣より与えられる免許です。対象は傷病者やじょく婦(※)とその家族であり、入院中の日常生活の援助や、診察・治療の際の補助を行います。活動の場は多様ですが、医療施設や保健福祉施設、訪問看護ステーションなどが挙げられます。
(※)出産後間もなく、まだ産褥にある女性。産婦。

保健師ってどんな仕事?

保健師免許は、看護師免許取得者又は取得見込を前提とし、保健師国家試験に合格した者に、厚生労働大臣より与えられる免許です。対象は個人・家族、集団、地域全体と幅広く、人々の疾病予防や健康の保持増進に関わります。活動の場は、自治体の保健所や保健センター、企業や産業(産業保健師)、学校(学校保健師)などが挙げられます。保健師免許を取得すると、養護教諭第2種免許、第1種衛生管理者免許の申請ができます。

カリキュラム

分野の内容・シラバス

本学の教育カリキュラムは、人間存在の本質的要素であるケアリングを基本概念として、看護の基本となる基礎分野をきちんと学べるように設定しております。さらに、精神看護学や母性看護学、地域看護学、国際看護学などの特化した専門分野を学ぶことで、広く人間社会の健康に寄与できる篤実有能な人材を育成しています。

基礎分野

本学の教養科目の特色は「人間の尊厳と理解」「人間と社会」等の領域に属する科目群であり、深い人間理解と人間の尊厳を尊重した倫理的判断と行動の基礎を学びます。また、本学の看護教育の特色である実践看護学や国際看護学の基盤としての「科学的思考の基礎」や「人間と言語」「世界との関わり」の領域の各科目も開講しています。世界の中で人々が共に生きていくことの意味を考え、愛の実践の第一歩を踏み出す糸口となる分野です。

専門基礎分野

看護に必要な医学・医療に関する基礎について学びます。解剖、生理、病理、生化学、社会医学、疫学、生物統計等がこの分野に含まれます。いずれも、看護師・保健師・助産師として働く時に身につけておかねばならない基本事項です。この分野は基礎看護だけでなく、成人・老年看護学、精神看護学、母子看護・助産学、地域・国際看護学の臨床看護の基礎として重要な領域です。

専門分野- 基盤臨床看護学

基盤臨床看護学は、従来の「基礎看護学」と「成人看護学」を統合し、人間理解に基づき、看護実践の中核であるコミュニケーション能力、テクニカル・スキル、アセスメント能力、クリティカルシンキング、ケアデザイン能力の育成、中核知識の修得、専門識者としての役割や価値観の育成を図る分野です。臨床能力の基礎づくりや疾患理解の強化を徹底するカリキュラムになっています。

専門分野- 精神看護学

人は身体的にも精神的にも社会的にも調和の取れた存在でありたいものです。この領域ではまず、精神的健康とは何か、そしてそれを保持・増進するためには何が求められるのかを、次に精神の健康問題を有する対象の自立・成長を期するためにどのようなアプローチが求められるかを系統的に学習します。そのことから人が人として生活する上で、精神的な健康のあり方とは何か、そこに寄与する看護はどうあるべきかを総合的に探究します。

専門分野- 母性看護学

母性看護学では、母子とその家族のライフサイクルに焦点を当てて、個人および家族がそれぞれのライフステージにおいてより良い健康を保持・強化するために、リプロダクティブヘルスという広い視野から対象を理解し、そこで必要とされる看護について学びます。また特に、妊娠・出産・育児の各時期に身体的・心理社会的に様々な変化を体験している母子とその家族が、本来もっている力を発揮しながら、それらの変化に自らの力で適応していくことができるための看護について学びます。

専門分野- 小児看護学

小児看護学は、すべての疾患、すなわち、身体疾患、精神神経疾患、社会的疾患、そして健康な子どもたちも対象となります。子どもたちの健全な成長発達を促すために、家族と子ども達に看護者として何ができるのか、ということを探究します。そして対象に応じた看護の諸理論を使うだけでなく、一緒に子どもと家族のQOLの維持・向上に寄与するため、看護理論と技術を創造しましょう。看護実践と学術的にも経験、豊かな教員たちと明日を担う子どもたちを取り巻く様々な環境、社会システムの病理について多角的視点も養成します。

専門分野- 老年看護学

人の一生における老年期の意義、ならびに身体的・心理的・社会的な加齢現象について学習します。また、近年の高齢者をとりまく我が国の保健・医療・福祉の動向、および多岐にわたる看護の活動の場とその特徴についても学習していきます。さらに尊厳や自立(自律)、高齢者の性、生き甲斐といった視点をもち、高齢者個々に応じた健康生活を支える援助が展開できるようになること、そして、老年看護の役割と今後の課題について考えることができるようになることを目指していきます。具体的には、加齢にともなう身体諸機能の変化と、高齢者に生じやすい疾病および健康障害の病態生理について学習し、看護援助に必要なアセスメントができるための基礎的(エビデンスを含めた)能力を養います。また、それを基盤に根拠をもって必要な看護援助や予防、指導教育が行えるようになることを目指します。

専門分野- 地域看護学

地域看護は、地域で生活している人々を対象に健康や生活の質(QOL)の向上を目指した活動です。地域で生活している人々の基盤は、家族や学校、職場などにまたがり複雑化しており、従って地域を基盤に展開される看護サ-ビスは、個人はもちろんのこと、家族、学校、職場などとの関連を含めての把握が必要とされます。具体的な地域看護サ-ビスの方法は、対象の健康レベル、ライフサイクルなどによって特徴づけられ、個別的アプロ-チや集団的(グル-プ的)アプロ-チもあり、それぞれに多様性が求められます。地域看護学領域では個人・集団への健康維持増進のための活動を講義し、グル-プでの演習などの学習を通して保健師の力量形成のための学習を行います。

専門分野- 国際看護学

科学技術の発展により人や物の移動が増大し、紛争や災害により強制移住させられる人々がたくさんいます。また社会が日々変化することに伴い、国家間や地域間の貧富の差はいっそう大きくなりつつあります。これらに伴い人々の健康問題も、その限られた地域・国だけでは対応できなくなっており、国際看護学ではこのような状況にある地球上の人々の健康に対し、看護としての貢献を考えていきます。対象は地球上に生活するあらゆる国・地域の人々で、その人々が属している国・地域の特性、政治、経済、社会、歴史、教育、文化の特徴、また取り巻く周囲の環境を把握し、自らの健康向上を目指せるように、そこで行いうる看護を学びます。

専門分野- 共通・統合

主に看護の専門課程で、より統合された領域の科目が集められた分野です。1年次に開講される科目もありますが、殆どが3、4年次に開講されます。ここでは、3年次までに修得した知識、あるいは実践力を応用する方法を学んでいきます。